分娩について(ソフロロジー式分娩)
おなかの中に赤ちゃんが宿った時から、お母さんはいつもおなかの赤ちゃんに思いを馳せることが大切です。妊娠期間中、いつもどうすることが赤ちゃんにとって良いことかを 考えてください。そうすることにより、おなかの赤ちゃんがいとおしく思えてきます。すなわち“母性”が培われてきます。妊娠期間中に この“母性本能”にスイッチが入ることが大変重要なことだと思います。
お産は赤ちゃんとお母さんの共同作業です。お母さんが自分で産むという意識を強く持ってください。
より安産であるためには、体調の管理が必要です。妊娠初期より食事には充分注意を払い、冷えや便秘や下痢に気をつけ、適度にいつも運動を欠かさないようし、過剰な体重増加を防ぎましょう。
分娩中は、赤ちゃんのことをまず考え、深い呼吸(腹式呼吸)によりいつも赤ちゃんへの酸素供給を忘れないで下さい。いかに強い陣痛が来ようとも、陣痛に負けず産道に充分な弛緩をもたらしてください。産道に力が入り圧迫すると赤ちゃんは出にくくなり、その圧迫で酸素供給もおろそかになります。その反対に産道が緩むと、赤ちゃんは圧迫が少なく酸素供給もうまくいき、分娩もスムーズなものとなります。以上のことができればお産は決して難しいものではなく、赤ちゃんへのリスク・分娩中の小さなトラブルは回避できます。
陣痛は想像を絶するような強烈な痛みでありますが、その陣痛により赤ちゃんが産まれる大切なエネルギーとして肯定的に受け入れるよう充分イメージトレーニングをつんでおいてください。
現在は核家族化が進み、お産に対するイメージを抱きにくく、またお産や授乳、育児に対する不安感、恐怖感が強いようです。まず、一つ一つ不安や分からないことを丁寧に解消することが大切です。そして、お産に対するイメージトレーニングを充分、繰り返し行うことが必要です。
ソフロロジー式分娩法は、熊本の松永産婦人科医院院長の松永昭先生が1987年に日本に導入されました。そのキーポイントは“母性の確立”“陣痛を赤ちゃんが産まれる最も大切なエネルギー”“イメージトレーニングにより痛みを切り替えるスイッチを持つ”“ソフロロジー式呼吸法”などで、画期的ですばらしい分娩法だと思います。詳しいことは、「日本ソフロロジー法研究会」のHPをご参照ください。
当院では、妊娠期間中に充分な分娩への準備(イメージトレーニングを含む)をしていただくために、週2回、月8回母親学級(くまちゃん学級)を開催しています。また、個別面談や、スタッフとのフリートーキングにてお産に対する不安や心配をなるべく解消していただくよう努めています。陣痛発来後は、妊婦さんがお産に集中し、不安のない状態で今までの取り組みを充分発揮できるように、完全に助産婦が付き添うようにしています。そうすることでお産の異常を早期に発見もできますし、陣痛時の呼吸法やリラクゼーションの修正をすることで小さなトラブルは解消され、無事最後までお産を乗り切る舵とり役をはたしたいと思います。また、なるべく陣痛促進剤は使わないようにしていますので、微弱陣痛に対して、いろんな工夫を施し、なんとしても自分の力でお産を乗り切ってほしいと思っています。