2005.6.3

感染症トピックス 

平成18年6月

大在こどもクリニック院長 澤口博人


咽頭結膜熱(プール熱、アデノウイルス感染症)

 咽頭結膜熱は発熱、咽頭炎、眼症状を主とする急性ウイルス性感染症で、数種の血清型のアデノウイルスによります。プールでの感染も多く見られることからプール熱とも呼ばれます。

 


疫 学

 原因であるアデノウイルス感染は、年間を通じて認められます。疾患としての咽頭結膜熱は通常夏期に流行し、6月頃から徐々に増加しはじめ、7〜8月にピークを形成します。季節性流行の場合は、学童年齢の罹患が主であるとされていますが、感染症発生動向調査での罹患年齢からは、5歳以下が約6割を占めています。

 感染経路は、プールを介した場合には、汚染した水から結膜への直接侵入と考えられています。また、プールでの流行では、タオルを共用したことが感染のリスクを高めたとの報告もあります。それ以外では通常飛沫感染、あるいは手指を介した接触感染で、結膜あるいは上気道からの感染です。


病原体

 アデノウイルスは51種類の血清型が知られており、咽頭炎、扁桃炎、肺炎などの呼吸器疾患、咽頭結膜熱、流行性角結膜炎などの眼疾患、胃腸炎などの消化器疾患、出血性膀胱炎などの泌尿器疾患から、肝炎、膵炎から脳炎にいたるまで、多彩な臨床症状を引き起こします。


臨床症状

 発熱で発症し、頭痛、食欲不振、全身倦怠感とともに、咽頭炎による咽頭痛、結膜炎にともなう結膜充血、眼痛、流涙、眼脂を訴え、3〜5日間程度症状が持続します。眼症状は一般的に片方から始まり、その後他方にも出現します。潜伏期は5〜7日とされています。


検査

 アデノウイルス抗原迅速検査は15分前後で診断できます。


治療・予防

 効果的な治療法はなく、対症療法が中心となります。眼症状が強い場合には、点眼薬が必要になることもあります。


学校保健法における取り扱い

 学校保健法では、第二種伝染病に位置づけられており、主要症状が消退した後2日を経過するまで出席停止とされています。

さわじぃ