2005.1.18
感染症トピックス
平成17年1月
大在こどもクリニック院長 澤口博人
ノロウイルス感染症について
広島県の特別養護老人ホーム「福山福寿園」で年末年始に多数の入所者が死亡した感染症の病原菌はノロウイルスであると保健所が発表しました。その後、大分も含め全国の施設から感染者が多数報告されています。大分では平成16年12月から保育園、幼稚園、小学校で嘔吐下痢症、感染性胃腸炎が流行しており、ノロウイルス感染によるものではないかと言われています。しかしほとんどが1〜2日で治っており、重症になるお子様はほとんどいません。
ノロウイルスは生カキの食中毒の原因ウイルスとして有名です。一般的に12月から3月まで感染性胃腸炎、嘔吐下痢症として全国的に流行する、どこにでもいるウイルスです。新種のウイルスではなく、平成14年までは小型球形ウイルス(SRSV)と呼ばれていました。
潜伏期は1〜2日であると考えられています。乳児から成人まで幅広く感染しますが、一般に症状は軽症であり、特別な治療は必要とせずに軽快します。まれに重症化する例もあり、老人や免疫力の低下した乳児では死亡することもあります。嘔気、嘔吐、下痢が主症状で、腹痛、頭痛、発熱、全身倦怠感、筋肉痛を伴うこともあります。ウイルスは症状が消失した後も3〜7日間ほど患者の便中に排出されます。
患者の吐物、便から感染するため、御家族の感染防止策として手洗い励行は重要です。抗ウイルス薬によるウイルスを殺すための治療法は無く、嘔気、嘔吐、下痢に対して吐き気止め、整腸剤や、痛み止め、脱水症状に対しては点滴などの対症療法を行います。
1月にはいり、冷え込みが一段と厳しくなり、インフルエンザの流行が心配な季節になってきました。昨年11月に兵庫県でB型、岡山県でAソ連型、12月に埼玉県でAソ連型、宮城県仙台市でAソ連型、A香港型が確認されました。1月中旬から大分市内でも患者が発生したようです。現状ではどの型が流行するのかまだはっきりしていない状況です。日頃の防衛手段としては、うがい、手洗いが有効ですのでお願いします。厚生労働省ホームページに「今冬のインフルエンザ総合対策について」の項目があり、くわしい説明が掲載されていますのでご覧下さい。
さわじぃ![]()